NIPPON STEEL日鉄溶接工業株式会社

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技術情報溶接Q&A

Q006最近、溶融フラックスを使用してサブマージアーク溶接を始めました。フラックスには他にボンドフラックスがあるそうですが、溶融フラックスとボンドフラックスの違う点、特長及びその規格について教えて下さい。

(ニッテツびいど No.107 1994 Winter)
フラックスはその製造方法によって溶融フラックスとボンドフラックスに大別できます。

溶融フラックスは各種鉱物原料を通常1100~1400℃で溶融・冷却・粉砕・粒度調整したもので、成分的には酸化物やふっ化物からなり、組成的に均一で、吸湿性も少なく、その形態によってガラス状及び軽石状のものとに分類されます。

一方、ボンドフラックスは各種鉱物原料や金属粉を固着剤で適当な粒度に造粒したもので、溶融フラックスに比べ高融点のものが作りやすいため大電流溶接に、また、高塩基度のフラックス設計も容易なため、各種低合金鋼の溶接などに用いられています。このボンドフラックスについては、溶着速度を向上させるべく多量の鉄粉を含有するものとしないものとに分類することができます。前者の用途としては造船片面溶接、鉄骨ボックス柱角溶接などの大入熱溶接に広く用いられています。

さらに、フラックスはそのタイプ及び化学成分からおおまかに適用鋼種及び使用目的が区別されています。表1及び表2にJISZ3352で規定されたフラックスの種類及び特長を示します。
 
表1

表2

また、表3に溶融フラックスとボンドフラックスの一般的な特性比較を示します。

表3