NIPPON STEEL日鉄溶接工業株式会社

ENGLISH

技術情報溶接Q&A

Q015プラズマ溶接は主にどのような用途に用いられているか具体的に教えてください。

(ニッテツびいど No.115 1996 Winter)
プラズマ溶接には次のような特長があります。

①アークの熱集中が良いため、高速で歪みの少ない溶接が可能。
②スパッタ発生が皆無のためスパッタ除去工程が省略可能。
③電極消耗が少ないため長時間安定した高品質溶接が可能。
④I開先による溶接施工ができるため開先加工が不要で工数軽減が可能。

これらの特長を生かして図1のような各業種においてお使いいただいています。今回はこれらの中でももっとも用途の多い二輪・自動車関連の用途についてご説明します。

図1 プラズマ溶接を使用する業種
図1 プラズマ溶接を使用する業種

用途別としては、以下に代表的な例を示します。
・ボディー関係:リアピラー、ルーフ部溶接
・駆動関係:アクスルハウジングトルクコンバータ、シフトフォーク、ミッション、無段変速機部溶接
・内燃機関関係:カムシャフト、マフラー部溶接、バブル肉盛溶接
・舵取装置関係:ステアリングシャフト
・その他:カーエアコン用センサ

次に具体的なワークを取り上げ、その溶接条件などをご紹介します。
1.シフトフォーク部すみ肉溶接
 自動車用変速稜部品
 ・溶接種類:水平すみ肉
 ・鋼  種:S 45C-S 35C
 ・溶接電流:70A
 ・溶接速度:2cm/min

 フィラワイヤ添加、2トーチ方式












 
1.シフトフォーク部すみ肉溶接
2.トルクコンバータ部品
 自動車用オートマチック部品
 ・溶接種類:下向突合せ(Ⅰ型)
 ・鋼  種:S 45C-SPC
 ・溶接電流:80A
 ・溶接速度:47秒/1周

 フィラワイヤ添加、2トーチ方式





 
2.トルクコンバータ部品
3.カムシャフト
 エンジン吸排気機械構部品
 ・溶接種類:下向突合せ(Ⅰ型)
 ・鋼  種:S 45C
 ・溶接電流:lP80A/lB50A
 ・パルス周波数15Hz パルス幅50%
 ・溶接速度:30cm/min










 
3.カムシャフト
4.ドライブフェイス
 スクーター用無段変速機部品
 ・溶接種煙:下向突合せ(ヘリ溶接)
 ・鋼  種:S 45C-S35C
 ・溶接電流:75A
 ・溶接速度:25秒/1周
 フィラワイヤ添加、2トーチ方式











 
4.ドライブフェイス