技術情報溶接Q&A
Q020裏当材、エンドタブ材にはどのような種類があり、また、どんな使われ方をしているのでしょうか。
裏当材、エンドタブ材の主な分類を図1に示します。

1.裏当材
図1に示します鋼製の裏当金と呼ばれているものは、完全溶込み溶接のビード保持用として、鉄骨仕口部等の比較的短尺部に使用されています。
非金属系の固形耐火物は、セラミックス系とフラックス系があり、前者は焼結温度が1,000℃以上のもの、後者はそれ以下で焼結されたものと、区分されています。これらは粘着剤付アルミ箔に並べられ、突合せ開先の下部に直接貼り付け、片面溶接の裏波形成用として造船で多用されています。
また入熱量の大きい潜弧溶接用としては、サイズを大きくして耐熱性を高め、さらにガラステープを張り付けたものがあります。これは、船のデッキプレート、橋梁の鋼床版の潜弧溶接に威力を発揮しています。
当社で製造、販売しております固形耐火物系裏当材の主なものを表1に示します。また、標準型裏当材の構造を図2に示します。


2.エンドタブ材
欠陥の発生し易い溶接始終端部を接合部の外に逃がすために、開先両端部分にその開先形状に合わせたスチールタブが取り付けられます。その後、溶接材料・機器の改良、溶接始終端の運棒法の改善・技量の向上が相まって、代替タブ工法が開発されました。それは、プレス鋼板タブ、固形エンドタブ(セラミックス系、フラックス系)を、開先両端を囲うように取付け、その内側を健全な溶着金属で接合する方法です。この施工法は、ブローホール、アンダカット、クレータ収縮孔等の溶接欠陥を発生させない技量の修得が必要となります。現在、日本エンドタブ協会が「エンドタブ施工講習会」を各地で開催中ですので、それがお役に立つと思います。
固形エンドタブ材は開先形状に合わせたものが各種市販されていますが、当社で製造坂売しておりますS.jpg (755 バイト)NT-2A(図3)は接触面が平面であり、さまざまな開先形状に適用することができます(図4)。


なお、裏当材、エンドタブ材の施工要領等は、弊社発行"びいど"No.95号のQ&A、No.107号の溶接FORUMをご参照ください。