技術情報溶接Q&A
Q022ライムチタニア系溶接棒の再アークについて
(ニッテツびいど No.121 1997 Summer)①再アーク性が他の被覆タイプに比べて優れています。
②再アーク性が優れる理由は、被覆剤中に導電性の良い鉄粉やスチールを含有するからです。
表1 軟鋼用全姿勢溶接棒の再アーク性比較
規格 JIS Z3211 | 被覆タイプ | アーク中断から再アークさせるまでの時間 | ||
5秒 | 30秒 | 15分 | ||
D4301 | イルミナイト系 | △ | × | × |
D4303 | ライムチタニヤ系 | ◎ | ◎ | ○ |
D4313 | 高酸化チタン系 | ◎ | ○ | △ |
D4316 | 低水素系 | × | × | × |
2.再アーク性に優れた溶接棒の必要性(図1)
①再アーク性が優れる溶接棒は、仮付けや断続溶接がスムーズに行えます。
②再アーク性の悪い溶接棒では、再アーク時に保護筒を打撃する必要があり、心線が過剰に露出した場合、
・スティックし易くなります。
・ブローホールの原因となります。

図1 再アーク性の違い
3.溶接機の二次側無負荷電圧と再アーク性(図2)
①溶接機の無負荷電圧が低い場合、一般的に再アーク性が劣化する傾向にあります。
②A-1およびEX-3Aは、このような場合でも再アークが可能となりますので、ぜひ一度ご試用下さい。

図2 溶接機の二次側無負荷電圧の変化による再アーク性調査