NIPPON STEEL日鉄溶接工業株式会社

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技術情報溶接Q&A

Q025カットワイヤサブマージアーク溶接法について

カットワイヤSAWとは、ワイヤと同じ化学成分の細径ワイヤを、ワイヤ直径とほぼ等しく切断した、いわゆる”カットワイヤ”を図1に示すように開先内に充填し、その後普通のサブマージアーク溶接を行う方法です。

カットワイヤをあらかじめ充填する以外は、従来のSAW法と全く同じ方法で行うものです。


図1 カットワイヤSAW
図1 カットワイヤSAW

能率

図2 カットワイヤ法の能率
図2 カットワイヤ法の能率

計算式

特徴

1.従来のサブマージアーク溶接法に比べ、約2倍以上の溶着量が得られ、厚板の溶接にはとくに適しています。
2.母材の熱影響部が小さくなり、じん性の低下及び軟化の程度が少なくなります。
3.下向すみ肉では、大脚長の美しいビードが得られ、スラグのはく離も極めて良好です。
4.母材希釈率が低くなるため、高炭素鋼材の溶接における高温割れが防止できます。
5.大電流の溶接においてもアークが安定で美しいビードが得られます。

カットワイヤの種類

銘柄 化学成分の一例(%) 組合せフラックス(メッシュ)
C Si Mn P S Mo
YK-B 0.11 0.01 1.10 0.013 0.014 - YF-15FA(20×D)
YK-C 0.11 0.01 1.43 0.013 0.015 - YF-15A(20×D)
YB-100(12×100)
YB-150(12×100)
YK-D 0.13 0.01 1.87 0.010 0.014 - YF-15A(20×D)
YK-CM 0.08 0.01 1.67 0.012 0.014 0.51 YF-15(20×D)