NIPPON STEEL日鉄溶接工業株式会社

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技術情報溶接Q&A

Q048固形タブ(セラミックス、フラックス)成分の溶接および環境への悪影響は?

溶接に用いるセラミックス系、フラックス系固形タブ材の主な化学成分は、通称シリカと称する二酸化珪素(SiO₂)とアルミナと称する三酸化アルミニウム(AL₂O₃)の二種です。この二種に対して第三成分として添加する化学成分は、マグネシアと称する酸化マグネシウム(MgO)、カルシアと称する酸化カルシウム(CaO)、およびジルコニアと称する酸化ジルコニウム(ZrO₂)等があります。セラミックスおよびフラックス系タブ材は、上記の酸化物で構成される焼結体であり、現在供給されている成分系は、主成分2種で構成される2成分系と、この2成分に第三成分の一種ないし数種を含有する三成分系に分類する事ができます。

溶接用セラミックスおよびフラックス系タブ材を構成する化学成分の溶接品質への影響については、成分系を問わず化学成分のモル当量や第三成分の選択と含有率によって、焼結体(鉱物結晶)そのものがさまざまな態様に変化し、かつ異質な作用効果を示す場合があり、一概に論ずることは難しい面もあります。

しかし、上記の成分は溶接用フラックスの原材料として使用されていますので、セラミックスおよびフラックス系固形タブの成分が溶接に悪影響を及ぼす事はほとんど考えられないと思います。また、環境に悪影響を及ぼす事もほとんどないと思います。

使用後の処置については、サブマージアーク溶接後のスラグおよび固形裏当て材などと同様に産業廃棄物として、処置されることをお奨めいたします。