技術情報溶接Q&A
Q049セラミックス系タブ材の熱伝導および熱拡散率の溶接品質への影響は?
しかし、この測定値はタブ材の気孔率値によって変化するものであり、タブ材成分、融点等のみでは判断しにくい面があります。また、適用にあたって溶接方法、溶接条件、板厚、開先形状等によってほぼ適正な範囲が考えられます。
セラミックス系タブ材の溶接方法としては、手溶接およびガスシールドアーク溶接が一般的に使用されています。これらの溶接方法において、熱伝導および熱拡散率が溶接品質に及ぼす影響として、一般的に常温での熱伝導度および熱拡散率が低い場合、例えばタブの材質がシリカ、ジルコニア、アルミナ、マグネシア系の耐火性溶剤で成形されていても溶接入熱と冷却速度および熱容量の関係からセラミックスタブの溶損が大きくなってビードの余盛が大となり溶接ビード外観が悪くなります。また、スラグ量が増えてスラグ巻き込み等の欠陥が発生しやすくなり、X線性能が悪くなります。
また、一般的に常温での熱伝導度および熱拡散率が高い場合、両端部、特に終端部の冷却速度が速すぎて割れが発生することがあり、溶接性能が悪くなります。