NIPPON STEEL日鉄溶接工業株式会社

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技術情報溶接Q&A

F084耐候性鋼用溶接材料について

1. はじめに

耐候性は、建築材料などを屋外に放置したときの耐性1)で、太陽光・風雨・温度変化などに対し、変質や劣化を起こしにくい性質を意味します。耐候性鋼とは、大気中に暴露されても、緻密で密着性のよいさびを形成するため、腐食が小さい特長を有する鋼となります。

その歴史は20世紀初め、鋼に少量の銅を添加すると、大気中での腐食量が減少することが経験的に知られていました。本格的な試験は、1916年にASTM(米国試験材料協会:American Society for Testing and Materials)が銅の含有量0.02~0.5%の260種類について、大気暴露試験を行ったことに始まると言われています。その後、USスチール社が1920年から3万種類の大気暴露試験を解析した結果、1933年に低合金高張力鋼のCortenを開発しました。2)

アメリカでは、Corten鋼をイリノイ州モーリンのDeere & Co本社ビルに裸使用で採用されて以来、好評となり、建築ビル、橋梁、鉄塔などの広い範囲に採用されてきました。

日本では1959年に、富士製鐵(現・日本製鉄(株))がUSスチール社より製造技術を導入したのを契機に、国内ミルメーカー各社の開発が行われました。その後、1968年に溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材が、1971年に高耐候性圧延鋼材のJISが制定され、現在までに橋梁、容器、産業機械、鉄道車両、建築、鉄塔など多くの分野に適用されています3)。 

2. 耐候性鋼のさびについて

鋼の耐食性の経時変化を表すものとして、腐食量(または板厚減少量)-時間曲線があり、図1にその模式図を示します4)。暴露開始A点からB点までさびが多く発生します。その後、さびの発生は安定し、ゆっくりと進行します。このBCの勾配α(腐食速度)が小さいほど耐候性に優れていること、さびが進行し難いことを示します。普通鋼(炭素鋼)も耐候性鋼と同じ傾向を示しますが、腐食量が大きいこと、さびが剥離・脱落して腐食進行速度が小さくなりにくく、耐食性が悪いことがわかります。

耐候性鋼も普通鋼と同じようにさびが生じますが、Cu、Cr、Pなどの元素を含有しているため、図2の模式図に示すように、鉄の表面にこれら元素が濃縮した緻密な非晶質の保護性さび層を形成して腐食を防止し、勾配αが小さくなると言われています。ただし、この腐食速度が小さくなる理由については、多くの研究が行われたものの、いまだに定説をみるに至っていないとされています。5)

図1 鋼の腐食量-暴露期間の関係を示す模式図
図1 鋼の腐食量-暴露期間の関係を示す模式図

図2 耐候性鋼と普通鋼のさび構造模式図
図2 耐候性鋼と普通鋼のさび構造模式図

3. 耐候性鋼

耐候性鋼の主な規格を表1に、日本製鉄(株)の耐候性鋼板の規格を表2に示します6)。JIS種類の記号末尾の「W」は通常裸のまま(無塗装)、またはさび安定化処理を施して使用され、「P」は通常塗装して使用されます。
NAWシリーズは、一般的な使用下において耐候性を有する鋼材で、建築、鉄道車両、各種産業機械などの分野に、COR-TENシリーズは無塗装仕様、またはさび安定化処理を施して使用することで優れた耐候性を有する鋼材で、橋梁、建築などの構造物分野に多く適用されています。

表1 耐候性鋼の主な規格
規格 名 称 種類の記号 化学成分 % 引張性能 衝撃性能
C Si Mn P S Cu Cr Ni Mo V Nb 耐力
(MPa)
引張強さ
(MPa)
吸収
エネルギー
(J)
JIS
G
3114
溶接構造
用耐候性
熱間圧延
鋼材
SMA400AW
SMA400BW
SMA400CW
0.18
以下
0.15

0.65
1.25
以下
0.035
以下
0.035
以下
0.30

0.50
0.45

0.75
0.05

0.30
耐候性に有効な元素
のMo、Nb、Ti及びV
を添加してもよい。
これらの元素の総計
は0.15%を超えてはならない。
1※235
以上
400 ~
540

0℃:27以上
0℃:47以上
SMA400AP
SMA400BP
SMA400CP
0.18
以下
0.55
以下
1.25
以下
0.035
以下
0.035
以下
0.20

0.35
0.30

0.55
1※235
以上
400 ~
540

0℃:27以上
0℃:47以上
SMA490AW
SMA490BW
SMA490CW
0.18
以下
0.15

0.65
1.40
以下
0.035
以下
0.035
以下
0.30

0.50
0.45

0.75
0.05

0.30
1※355
以上
490 ~
610

0℃:27以上
0℃:47以上
SMA490AP
SMA490BP
SMA490CP
0.18
以下
0.55
以下
1.40
以下
0.035
以下
0.035
以下
0.20

0.35
0.30

0.55
1※355
以上
490 ~
610

0℃:27以上
0℃:47以上
SMA570W 0.18
以下
0.15

0.65
1.40
以下
0.035
以下
0.035
以下
0.30

0.50
0.45

0.75
0.05

0.30
1※450
以上
570 ~
720
-5℃:47以上
SMA570P 0.18
以下
0.55
以下
1.40
以下
0.035
以下
0.035
以下
0.20

0.35
0.30

0.55
1※450
以上
570 ~
720
-5℃:47以上
JIS
G
3125
高耐候性
圧延鋼材
SPA - H 0.12
以下
0.20

0.75
0.60
以下
0.070

0.150
0.035
以下
0.25

0.55
0.30

1.25
0.65
以下
355
以上
490
以上
SPA - C 0.12
以下
0.20

0.75
0.60
以下
0.070

0.150
0.035
以下
0.25

0.55
0.30

1.25
0.65
以下
315
以上
450
以上
ASTM
A588
構造用
低合金
高張力鋼
Grade A 0.19
以下
0.30

0.65
0.80

1.25
0.04
以下
0.05
以下
0.25

0.40
0.40

0.65
0.40
以下
0.02

0.10
2※345
以上
2※485
以上
Grade B 0.20
以下
0.15

0.50
0.75

1.35
0.04
以下
0.05
以下
0.20

0.40
0.40

0.70
0.50
以下
0.01

0.10
2※345
以上
2※485
以上
Grade C 0.15
以下
0.15

0.40
0.80

1.35
0.04
以下
0.05
以下
0.20

0.50
0.30

0.50
0.25

0.50
0.01

0.10
2※345
以上
2※485
以上
Grade K 0.17
以下
0.25

0.50
0.50

1.20
0.04
以下
0.05
以下
0.30

0.50
0.40

0.70
0.40
以下
0.10
以下
0.005

0.05
2※345
以上
2※485
以上
(注)1※:板厚16を超え40mm以下の場合。
   2※:板厚100mm以下の場合。

表2 日本製鉄(株)の耐候性鋼板
区 分 規格記号 適用寸法
mm
化学成分 % 引張性能 衝撃性能
C Si Mn P S Cu Cr Ni その他 耐力
MPa
引張強さ
MPa
吸収
エネルギーJ
一般用
耐候性
鋼板
NAW400 3.2≦t≦12.7 0.150
以下
0.050
以下
0.20 ~
0.40
0.40
以下
245
以上
400 ~
510
NAW490 t≦12.7 0.12
以下
0.15 ~
0.35
0.90
以下
0.06 ~
0.12
0.035
以下
0.25 ~
0.50
Ti :0.15
以下
390
以上
490
以上
高耐候性
鋼板
COR-TEN490A
COR-TEN490B
COR-TEN490C
6≦t≦50 0.17
以下
0.30 ~
0.65
0.80 ~
1.25
0.035
以下
0.035
以下
0.30 ~
0.40
0.45 ~
0.65
0.05 ~
0.30
V :0.02
~ 0.10
1※355
以上
490 ~
610

0℃:27以上
0℃:47以上
COR-TEN570 6≦t≦50 0.17
以下
0.30 ~
0.65
0.80 ~
1.25
0.035
以下
0.035
以下
0.30 ~
0.40
0.45 ~
0.65
0.05 ~
0.30
V :0.02
~ 0.10
1※450
以上
570 ~
720
-5℃:27 以上
COR-TEN O 1.6≦t≦76 0.12
以下
0.25 ~
0.75
0.20 ~
0.50
0.070

0.150
0.035
以下
0.25 ~
0.55
0.30 ~
1.25
0.65
以下
2※325
以上
2※460
以上
(注)1※:板厚16を超え40mm以下の場合。
   2※:板厚20を超え38mm以下の場合。
・旧住友金属工業のCR2-400はNAW400、CR2-490はNAW490に規格記号が変更されています。
・COR-TENR©は、United States Steel Corp.の登録商標であり、日本製鉄(株)はライセンスを受けて使用しています。
・NAWR©は、新日鐵住金(株)の登録商標です。

4. 耐候性鋼溶接材料

耐候性鋼の溶接材料は、鋼材と同様にCu、Cr等の耐候性に有効な元素を含有しています。
当社では、各耐候性鋼に合わせた溶接材料のラインナップがあり、その一覧を表3に示します。また、特長と規格を表4に、溶着金属性能例を表5に示します。

表3 耐候性鋼用溶接材料一覧
鋼 種
(引張強さ)
被覆アーク溶接棒 ソリッドワイヤ フラックス入りワイヤ サブマージアーク溶接材料
全姿勢 すみ肉 全姿勢 すみ肉 突合せ すみ肉
400MPa級
490MPa級
CT-03Cr
CT-16Cr
CT-03CR2
CT-16CR2
CT-26MCr
CT-16VCr
(立向下進用)
YM-55W
FGC-55
SF-50W
FC-50W
SM-50FW
FCM-50FW
YF-15B ×
Y-CNCW
NF-820 ×
Y-CNCW
570MPa級 CT-60Cr YM-60W SF-60W SM-60FW
FCM-60FW
YF-15B ×
Y-60W
NF-820 ×
Y-60W
(注)※:P仕様

表4 耐候性鋼用溶接材料の特長と規格
銘 柄 特 長 該当JIS 該当AWS
CT-03Cr 全姿勢、板厚9mm以下の薄板用
ライムチタニヤ系で溶接作業性に優れる。
Z 3214
E49J03-NCC AU
CT-16Cr 全姿勢、中・厚板溶接用
極低水素系で耐割れ性及び機械性能に優れる。
Z 3214
E49J16-NCC AU
A5.5
E7016-G
CT-03CR2 全姿勢、板厚9mm以下の薄板用、旧住友金属CR2用
ライムチタニヤ系で溶接作業性に優れる。
Z 3214
E4903-NCAU
CT-16CR2 全姿勢、中・厚板溶接用、旧住友金属CR2用
低水素系で耐割れ性及び機械性能に優れる。
Z 3214
E4916-NCAU
A5.5
E7016-G
CT-26MCr 下向・水平すみ肉
グラビティ溶接に適用できる。
A5.5
E7016-G
CT-16VCr 立向下進
極低水素系で耐割れ性及び機械性能に優れる。
CT-60Cr 全姿勢、570MPa 級鋼用
極低水素系で耐割れ性及び機械性能に優れる。
Z 3214
E57J16-NCC1AU
A5.5
E8016-G
YM-55W 全姿勢(下向重視)
CO₂用
Z 3315
G49JA0UC1-NCCJ
A5.28
ER80S-G
FGC-55 全姿勢(下向重視)、P仕様
CO₂用
Z 3315
G49A0UC1-CCJ
A5.28
ER80S-G
YM-60W 全姿勢(下向重視)、570MPa級鋼用
CO₂用
Z 3315
G57JA1UC1-NCCJ
A5.28
ER80S-G
SF-50W 全姿勢、CO₂用
ルチール系シームレスFCWで耐割れ性に優れる。
Z 3320
T49J0T1-1CA-NCC1-UH5
A5.36
E71T1-C1A0-G
FC-50W 全姿勢、CO₂用
かしめタイプFCWで溶接作業性に優れる。
Z 3320
T49J0T1-1CA-NCC1-U
SM-50FW 下向・水平すみ肉、CO₂用
メタル系シームレスFCW 耐割れ性に優れる。
Z 3320
T49J0T1-0CA-NCC1-UH5
A5.36
E70T1-C1AG-G
FCM-50FW 下向・水平すみ肉、CO₂用
かしめタイプFCWで溶接作業性に優れる。
Z 3320
T49J0T1-0CA-NCC1-U
SF-60W 全姿勢、CO₂用、570MPa級鋼用
ルチール系シームレスFCWで耐割れ性に優れる。
Z 3320
T57J1T1-1CA-NCC1-UH5
A5.36
E81T1-C1A0-W2
SM-60FW 下向・水平すみ肉、CO₂用、570MPa級鋼用
メタル系シームレスFCWで耐割れ性に優れる。
Z 3320
T57J1T1-0CA-NCC1-UH5
A5.36
E80T1-C1A0-W2
FCM-60FW 下向・水平すみ肉、CO₂用、570MPa級鋼用
かしめタイプFCWで溶接作業性に優れる。
Z 3320
T57J1T1-0CA-NCC1-U
YF-15B × Y-CNCW 下向すみ肉、下向突合せ Z 3183
S50J2-AW1
A5.23
F7A4-EG-G
NF-820 × Y-CNCW 下向・水平すみ肉 Z 3183
S50J2-AW1
A5.23
F7A0-EG-G
YF-15B × Y-60W 下向すみ肉、下向突合せ、570MPa級鋼用 Z 3183
S58J2-AW1
A5.23
F8A2-EG-G
NF-820 × Y-60W 下向・水平すみ肉、570MPa級鋼用 Z 3183
S582-AW1
A5.23
F8A0-EG-G

表5 耐候性鋼用溶接材料の溶着金属性能一例
銘 柄 化学成分 % 機械的性質
   C       Si       Mn       P       S       Cu       Cr       Ni      耐力  
MPa
 引張強さ 
MPa
  伸び  
%
   吸収エネルギー
0℃、J
CT-03Cr 0.07 0.16 0.36 0.020 0.004 0.37 0.48 0.16 439 535 25 81
CT-16Cr 0.04 0.40 0.70 0.009 0.003 0.39 0.50 0.17 487 548 28 173
CT-03CR2 0.08 0.14 0.54 0.017 0.006 0.26 0.31 443 507 28 97
CT-16CR2 0.08 0.50 1.06 0.015 0.003 0.36 0.31 460 550 30 167
CT-26MCr 0.05 0.16 0.51 0.018 0.007 0.43 0.55 0.29 446 516 24 78
CT-16VCr 0.08 0.48 0.98 0.014 0.003 0.40 0.52 0.20 485 585 25 156
CT-60Cr 0.07 0.43 0.69 0.011 0.005 0.41 0.54 0.65 545 624 24 162(-5℃)
YM-55W 0.06 0.43 1.04 0.008 0.019 0.54 0.61 0.18 581 667 20 67
FGC-55 0.08 0.45 1.02 0.012 0.013 0.38 0.43 503 590 25 92
YM-60W 0.06 0.47 1.07 0.007 0.004 0.48 0.58 0.47 562 639 24 110(-5℃)
SF-50W 0.04 0.34 0.84 0.010 0.006 0.39 0.55 0.48 514 587 25 76
FC-50W 0.03 0.40 1.00 0.017 0.005 0.41 0.53 0.44 503 572 28 110
SM-50FW 0.04 0.40 0.95 0.017 0.007 0.41 0.48 0.43 496 575 25 72
FCM-50FW 0.03 0.47 0.97 0.018 0.012 0.39 0.49 0.41 493 561 24 70
SF-60W 0.05 0.49 1.18 0.012 0.005 0.41 0.52 0.57 627 690 23 79(-5℃)
SM-60FW 0.04 0.46 1.12 0.017 0.006 0.35 0.52 0.45 540 620 23 70(-5℃)
FCM-60FW 0.04 0.51 1.35 0.018 0.006 0.37 0.57 0.52 530 612 22 60(-5℃)
YF-15B ×
Y-CNCW
0.07 0.45 1.31 0.014 0.007 0.37 0.55 0.11 510 600 27 120
NF-820 ×
Y-CNCW
0.05 0.66 1.57 0.011 0.006 0.35 0.56 0.14 490 570 27 76
YF-15B ×
Y-60W
0.08 0.45 1.43 0.018 0.009 0.37 0.57 0.10 520 630 29 88(-5℃)
NF-820 ×
Y-60W
0.06 0.60 1.67 0.012 0.008 0.37 0.56 0.10 540 640 25 66(-5℃)

5. 溶接上の注意点

耐候性鋼の溶接材料は、鋼材と同様にCu、Cr等の耐候性に有効な元素を含有しています。一方これらの元素は炭素等量を高め、一般の炭素鋼用溶接材料よりも引張強さが高くなります。そのため水素による低温割れがやや生じやすく、予熱温度を高くすることや、被覆アーク溶接棒、SAWフラックスの乾燥を適切に行う必要があります7)

予熱温度の標準を表68)に、溶接入熱例を表7に、溶接施工上の注意点を表8に示します。

表6 耐候性鋼溶接の予熱温度の標準
鋼 種 溶接方法 予熱温度 ℃
板厚区分 ㎜
25以下 25を超え40以下 40を超え50以下 50を超え100以下
SMA400W 低水素系の被覆アーク溶接 予熱なし 予熱なし 50 50
サブマージアーク溶接
ガスシールドアーク溶接
予熱なし 予熱なし 予熱なし 予熱なし
SMA490W
SMA570W
低水素系の被覆アーク溶接 予熱なし 80 80 100
サブマージアーク溶接
ガスシールドアーク溶接
予熱なし 50 50 80

表7 耐候性鋼溶接の溶接入熱例(kJ/cm)
  鋼 種     溶接方法   板 厚 ㎜
  12 以下     13 ~ 24     25 以上  
SMA400
SMA490
SMAW 30 以下 10 ~ 50 15 ~ 60
SAW
GMAW 15 ~ 60 15 ~ 70
SMA570 SMAW 30 以下 10 ~ 45 15 ~ 55
SAW
GMAW 15 ~ 55 15 ~ 70

表8 耐候性鋼の溶接施工上の注意点
鋼 種 溶接性(普通鋼との比較) 注意点
溶接構造用耐候性鋼
(SMA)
A588
COR-TEN 490
COR-TEN 570
・耐割れ性ほぼ同等
・溶接部のじん性がやや劣る
・400及び490MPa級鋼で、ライムチタニヤ系溶接棒は、板厚9㎜以下の薄板のみ適用可。
・490MPa以上の高張力鋼では、予熱温度をやや高くする。
・被覆アーク溶接棒及びSAWフラックスは、使用前に乾燥が必要。
高耐候性鋼(SPA)
NAW400
NAW490
COR-TEN O
・高温割れが生じやすい
・低温割れ感受性がやや高い
・溶接部のじん性が低い
・高温割れが生じやすいため、板厚13㎜以上は、溶接不可。
・板厚13㎜未満の薄板でも、割れ防止の観点から、母材溶込みを浅くする目的で、低電流、低入熱溶接を行う。
 

6. おわりに

今回、橋梁を中心に多くの構造物に適用されている耐候性鋼用溶接材料を紹介しました。溶接材料選定や施工上の注意点等、お客様のご参考になりましたら幸いです。

<参考文献>
1)スーパー大辞林
2)耐候性鋼とさび安定化処理技術、村尾、実務表面技術 vol.34 No.6(1987)
3)<トピックス> 耐候性鋼、松島、耐候性鋼防食技術 vol.29 No.12(1980)
4)Proc ASTM 45554、H.R Copson(1945)
5)橋梁用耐候性鋼材、清水、溶接学会誌 第67巻 第7号(1998)
6)日本製鉄(株)商品カタログ COR-TEN
7)接合・溶接技術Q&A1000、日本溶接協会/溶接情報センター(2004)
8)道路橋示方書・同解説