NIPPON STEEL日鉄溶接工業株式会社

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技術情報溶接Q&A

F096JIS Z 7252「GHS に基づく化学品の分類方法」及び
JIS Z 7253「GHS に基づく化学品の危険有害性-ラベル、
作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」の改正について

(びいど70号 2021年1月発行)

1 はじめに

日本におけるGHS に基づく化学品の分類方法、SDS 表示等の情報伝達の標準化として制定されているJIS Z 7252 及びJIS Z 7253 が
2019 年5 月25 日に改正されました。それに伴い、SDS・ラベルは3 年以内(2022 年5月24日まで)に改訂が必要になります。本稿では、今回
の主な改正内容について紹介します。

2 GHS、SDSとは

①GHSとは、Globally Harmonized System of Classifi cation and Labelling of Chemicals(化学品の分類及び表示に関する世界調和シス
テム)の略です。化学製品を危険有害性の種類と程度により分類し、その情報が一目でわかるよう包装への表示やSDS の提供を義務付ける
仕組みです。
②SDSとは、安全データシート(Safety Data Sheet)の略語です。これは、製品を譲渡または提供する際に、お客様にその製品や危険性・有害
性及び取扱に関する情報を提供する為の文書です。SDS に記載する情報には、製品中に含まれる化学物質の名称や物理化学的性質のほか、
危険性、有害性、ばく露(対象の化学物質にさらされること)した際の応急措置、取扱方法、保管方法、廃棄方法などが記載されます。労働
現場における化学物質の有害性等の情報を確実に伝達し、適切に管理することが必要であることから、労働安全衛生法において、SDS ※ 1 の提
供が義務付けられています。
● 2000 年 4月 労安法でSDS の提供が義務付けられた。
● 2003 年 国際連合がGHS の実施を勧告したことを踏まえ、諸外国でもGHS と整合を図るための取組が進められた。
● 2006 年 12月 SDS 制度の改善を図った改正労働安全衛生法等が施行された。
●危険有害性分類において、区分に当てはまらない
 結論部分を以下の表1 のようになりました。
●項目名が表2 のように変更となりました。(一部抜粋)
JIS Z 7253「GHS に基づく化学品の危険有害性-ラベル、作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」の主な改正点
● JIS Z 7253 の主な改正点を表3 に示します。(一部抜粋)
※ 1 SDSは、国内では2011年度までは一般的にMSDS( Material Safety Data Sheet : 化学物質等安全データシート)と呼ばれていましたが、国際整合の観点から、GHS で定義されているSDS に統一されました。

3 JIS Z 7252 及び JIS Z 7253 の主な改正点

①JIS Z 7252「GHS に基づく化学品の分類方法」の主な改正点

●危険有害性分類において、区分に当てはまらない
 結論部分を以下の表1 のようになりました。

表1 危険有害性分類
従来 JIS 改正 JIS GHS 改訂6 版
「区分外」 「区分に該当しない」 “Not classified”
「区分に該当しない」 “Not classification”
「分類できない」 「分類できない」 “Classification
not possible”

●項目名が表2 のように変更となりました。(一部抜粋)

表2 項目名
従来 JIS 改正 JIS GHS 改訂6 版
可燃性又は引火性ガス 可燃性ガス flammable gas
支燃性又は酸化性ガス 酸化性ガス oxidizing gas
吸引性呼吸器有害性 誤えん有害性 aspiration hazard
急性区分1 ~ 3 短期(急性)区分1 ~ 3 Category Acute 1 ~ 3
慢性区分1 ~ 3 長期(慢性)区分1 ~ 3 Category Chronic 1 ~ 3
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 皮膚腐食性/刺激性 Skin corrosion/irritation
眼に対する重篤な損傷性
又は眼刺激性
眼に対する重篤な損傷性/
眼刺激性
Serious eye damage
/eye irritation

②JIS Z 7253「GHS に基づく化学品の危険有害性-ラベル、作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」の主な改正点

● JIS Z 7253 の主な改正点を表3 に示します。(一部抜粋)

表3 JIS Z 7253 の主な改正点
SDSの基本構成 変更内容
1.化学品及び会社情報 “国内製造事業者等の情報”を製造事業者の了解を得た上で追記できることが明記された。
2.危険有害性の要約 内容的には従来と変更はないが、一部項目名の変更があった。
3.組成及び成分情報 大きな変更はないが、当該化学品がGHS 分類に基づき危険有害性があると判断された場合は、不純物等も含め分類に寄与する全ての成分の化学名又は一般名及び濃度又は濃度範囲を記載することが望ましい。
9.物理的及び化学的性質 大きな変更はないが、一部記載する物理的及び化学的性質パラメータの変更があった。
 

4 おわりに

本稿で紹介したとおりJIS Z 7252 及びJIS Z 7253 の改正に伴い、弊社製品については、SDSの改訂を2021年4 月以降順次実施してまいります。
当社溶接材料のSDSをご希望の方は、当社ホームページ「https://www.weld.nipponsteel.com/initiatives/」からダウンロードすることができます。ぜひともご活用ください。